大人になれるまで

白い円と申します

柔らかな心地に呑まれて

休憩時間を知らせるチャイムが鳴るや否や、当然の如く屋上に逃げ込んだ。

 

暑かった。陽射しが音を立ててガンガン顔やら腕やらを灼いていく。

 

おにぎりを食べ、ベープをふかし、オレンジジュースを飲み、崎山蒼志の「柔らかな心地」を聴いていた。

 

喫煙所行こ、そう立ち上がり、扉のノブに手をかけたのはよかった、よかったはずなのだが、本当によかったのだろうか?何が?何もわからない

 

 

内側から鍵を掛けられていた。完全に締め出されてしまったのだ。いや別に締め出されてもいいって思ってたけど実際やられたら結構焦ってしまうもんなんだな。

 

幸いケータイを持ち歩いてたので上司に電話をかけて救出を願い出た。上司は笑っていた。目は笑っていなかった。

 

 

退勤後、友人にこのことを伝えると「飛び降りたったらよかったのに」と言われ、あなたのそういうこと言ってくれるとこが好き、と思った。