初夏と屋上
仕事の昼休み
誰も居ない立ち入り禁止の屋上で、ぬるい風に吹かれながらオレンジジュースを飲み、andymoriの「1984」を聴き、爆煙ベープをふかした。
何もかもがどうでもよくなった。
このまま閉め出されて自分の机に戻れなくなってもいい。総務部の人に怒られてもいい。最悪クビになってもいい。
鉄格子に囲まれて牢獄みたいな外観したクソでかい建物の屋上を独り占めしている、それだけでとんでもない万能感を覚えた。自分が属す課のフロアが本館にあるのか別館にあるのかすら把握していないくせに、いっちょまえにこの建物の中で一番えらい存在になれた気がした。
友人に電話をかけて、「今すぐここから飛び降りたい」と言った。
柵は簡単に越えられる高さだ。
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